シアワ星

お城です。

A3!ストーリー感想⑯〜Risky Game

とうとう来ました。
主演一巡目ラストです。感慨深いよね。

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Risky Game

 公演が楽しみで何かしてないと落ち着かないたーとガイさんかわいい。

今回は密のお話。前にも言った気がするんですが、第六回公演はこのタイミングだから出来るお話って感じがしますよね。順番も練られているなあ。

カジノセットを広げギャンブルごっこをして遊ぶ冬組。このカジノセットは、東さんがマーケットで知り合った店主に飲み比べの賭け品として貰ったらしい。東さんもコミュ力高男だ。
その話を聞いてお酒を怖がる綴くん。若者へ悪影響である。
 
次の冬組公演の主演はまだやっていない密に決定。嫌がるどころか声色を聞くにやる気がありそうですね。ボイスがつくと感情のニュアンスが分かりやすい。
 
見覚えがあるけれど思い出せないクッキー。思い出せないということは、それは御影密には必要がない記憶なんだと解釈します。
密の様子を見て心配する誉すん、とても良い。誉って本当に面倒み良いよね。
 
密の過去回想が始まります。
全てをさらけ出すことが出来るのは家族兼同組織のオーガストとエイプリルだけ。本当に濃くて唯一無二な存在なんだなと思えます。
クッキーに見覚えがあったのは、オーガストのお店に置いてあったからだということを思い出します。しかしオーガストがクッキーにした願い事までは思い出せません。

組織とオーガストのことを捨てれば、冬組のみんなに自分の秘密を全て打ち明けることが出来ると考える密ですが、浮かない様子。今の家族と昔の家族を天秤にかけているんでしょうか。
 
密は食事時になっても現れません。お昼も食べていなければマシュマロもあまり食べていないようです。その分睡眠時間が増えているということ。明らかにおかしいですね。
 
密が悩むことと言えば過去のことかも、と監督は千景に相談をします。
千景は「確かに密の過去を誰よりも知っているし、話を聞くことが出来るのは自分だ。でも自分と密は考え方が違うし立場も違う」と答えます。そして過去など気にせず「1人の役者・御影密」として見れば良いと監督に伝えます。密への愛を感じる。
そんでもって様子がおかしいのはただ焦ってるだけだ、と密のことをなんだかんだとしっかり理解している千景さん。仲良しさんだね^_^
 
密はオーガストの夢を見て、過去を捨てたくないと悩みます。そして同じく家族を亡くしている東さんと亡くなった家族のお話をします。
この寄り添い方って東さんと密にしか出来ないよね。ここA3の好きポイントなんですけど、ほんと〜に設定の使い方がうまい。
 
食事を摂らない密のために、冬組みんなで密の部屋にてガイさん手製のご飯を食べます。
悩みを無理に聞き出さないかわりに体調面でのケアをする冬組。冬組らしい距離感です。
いつか自然と話せるようになる。千景が言った言葉ですが、良い言葉ですね。千景が言うと本気でそう思ってるのかそう思い込もうとしているのかわかんないよね。それがまたドラマを感じて良い。
 
脚本のお披露目です。
脚本を読んだ密は「気がついたら大切な人が消えている主人公」と自分が似ていると語ります。
主人公の設定については監督からのアドバイスだそうです。

密は「本当は願い事があったけど、叶うことが無い願い事だから伝えなかった。また脚本を書くことがあったらその時に聞いてほしい」と綴と約束をします。
 
準主演には東さんが立候補。今まではみんなに支えてもらっていたから、これからは自分がみんなを支えたいということ。密との共通点を見つけ、そんな自分だからこそ出来ることがあるって思ったのかなあ〜。
稽古姿を見て旗揚げ公演の時と比べてみんなの芝居がうまくなったと思う監督。こういう描写もグッと来ます。
 
今回の課題はラストシーン。
婚約者に渡すはずだった指輪を海に捨てるというシーンです。
密の芝居に対し、婚約者に未練が残っているように見えるという意見が出ます。大切な人だったのだから未練が残っていても良いのではという意見も出ますが、密は「吹っ切れた方が良いと思う」と演技をやりなおします。しかしいつもは器用にこなすのに、今回はなかなかうまくいきません。未練が残るラストでも全然かまわないと言う冬組ですが、密は納得いかない様子。
密を気遣う誉の声があまりにも優しい。おばあちゃん?

公演が始まり、3日経っても密の演技は変わりません。他の劇団員も芝居のアプローチを変えたりと試行錯誤しますが、どうもうまくいきません。
やっぱりこの公演を重ねながら問題が解決したり、芝居が変化していくって舞台ならではという感じがしてめっちゃ良いなあ。
 
公演中、密はオーガストのことを思い出します。
密は「大切な人との決別」だけではなく「指輪」に対しても思い入れがあったのです。
リアムが婚約者に渡すつもりだった指輪と自分の思い出が重なり、密は指輪を投げることが出来なくなります。
このままでは幕を降ろすことが出来ないと監督が焦りますが、誉が助け船を出しなんとか最後の「さよなら」を告げることが出来ました。
 
公演が終わり、悩む密に東さんがクッキーを渡します。
密が願いが叶うクッキーの話をすると何故か東さんもそのことを知っていました。願い事はオーガストが作ったおまじないなので、そのことに密は驚きます。どうやら最初にクッキーをくれた男の子から聞いたそうです。
密の願いは「過去を捨てて御影密になること」。
しかし東さんは「本当にそうなの?」と尋ねます。本当の願いは「もう一度家族に会うこと」ではないのかと。
第三回公演時の丞みたいに一歩踏み出してみたと笑う東さん……。なんか〜こう、たびたび支えてもらったエピソードを出しまくる東さん……。本当に救われたんだなとか助けてもらったことを大事にしてるんだなって思えてめちゃくちゃ良いんですよね……。東さんってイベストとか読んでても冬組に限らずみんなのこと大好きなんだなって思えてもぉ〜〜……尊い、泣ける。

(ここで内なるキモオタを一度静める)

東さんの話を受け、密は家族と自分の想いを話します。
家族の願いを叶えたい。
それは過去を全て捨て「御影密」として生きること。忘れることが一番良いことで、彼の願いを叶えることでもある。
だけど過去を思い出せば思い出すほど、今は会えない家族に会いたくなってしまう。家族ごと過去を捨てることなんて出来ない。
それが密の想いでした。
その心中を聞き、東さんも「本当は亡くなった兄に会ってお礼を言いたい。けれどそれは叶わないから前に家族の話をした時は口に出さなかった」と本音を伝えます。ここの吐露ですが、私も亡くなった家族や友人の夢をよく見るタイプなのではちゃめちゃに感情移入して聞いて涙ダバダバになりました。
家族が亡くなった場所まで家族に会いに行こうと東さんが密に提案をします。「1人で行く怖さは自分もわかるからみんなで一緒に行こう」と。
このお話って「密が記憶を取り戻したこと」と「東さんが丞と一緒に実家へ行ったこと」があったから出来るお話なんですよね。あゝ。
この後に東さんと丞の会話を挟むのが最高だネ!

寝ている密を運びながら丞は語ります。「密の過去には興味がないし関係ない。けれど役者としての密には興味がある。密の芝居には、今まで出会ったどの役者とも違い妙なリアリティがある。それは密が濃い人生を送って来たからだ。どんな過去かは知らないけれど、その人生を送った密にしか出来ない芝居がある。」
どんな過去でも関係ないけど、今の芝居は過去があるから。詮索はしないけど過去を含め役者・御影密を肯定する丞のセリフ。丞らしいアプローチでとても良い。
「俺が寝てたら独り言だったよ」と目を開ける密と「寝てるかどうかなんてわかる。今までどれだけ運んだと思ってる」と答える丞。一緒に過ごした年月を感じて涙……。

密は紬にオーガストに渡す花を選んで欲しいとお願いをします。紬は「どんな想いを込めるのかが大切だから、それは密が選んだほうが良い」と促します。
密が選んだのはスイートピー。そして紬は密へアネモネを渡します。花言葉を聞かれますが、「どんな想いを込めたかが大事だ」と教えてくれません。紬は確実に花言葉を知っているはずだけど、込めた想いが大事だから言わないんだよね。粋な男ばい!

それぞれのやり方で密へ寄り添い助ける冬組。本当に良いです。
読んでて思ったんだけど、ガイさんのバーでお手伝いしてるのって、オーガストのお店でお手伝いをしていたことが活きてるのかな〜。過去との共存じゃん……。
 
 
冬組のみんなと一緒にオーガストが亡くなった場所へ行き、密は自分の過去と家族の話を始めます。
誰よりも大切な家族なのにありがとうもさよならも言えなかった後悔。
大切だからこそ過去を捨てられず、オーガストの願いを叶えることが出来ないジレンマ。

今みんなが認めてくれてる芝居は、過去があったから出来たこと。そもそも「御影密」はオーガストがくれた名前。
密は過去を捨てず、過去を含めて「御影密」になる決意をします。

この流れで詩を披露したいという誉さん。
いつもの密の姿を見せてあげるのが良いのでは?とねじこもうとするもあっさり却下。A3の空気を引きずり過ぎない流れ大好き。

自分はここから落ちても生きていたのだから、もしかしたら東の兄も生きているかもしれない。また会うことは「絶対に叶わない願い事」ではないと密は言います。絶対ともしかしたらは似ているようで全然違うんだよね。密の思いやりに泣けます。

大事な家族を亡くしたけど、みんなに会えてよかった。悩みが吹っ切れた密さんです。
 
ここでオーガストの顔が初めて出てきます。
オーガストの顔を思い出したのか、過去を忘れない決意したからなのか……。とにかく演出が、良い。
このオーガストは、密が作った夢なのか本物なのか。それはわかりません。でも密が自分の答えを見つけて、それをオーガストに話せたことが大事なんだと思います。
 
密は千景に、オーガストの代わりとして公演を観に来てほしいと頼みます。この二人の会話は冗談や憎まれ口を叩きつつ、お互いを信頼しているのがわかります。二人の関係性とても素敵だよね。
 
髪留めをお守りとして持つ東さん。丞だけはその髪留めが持つ意味を知っています。
今回も円陣を組めない誉さん。風物詩。
 
PLASTIC POKERの「愛してるよ今でも」って歌詞を東さんと密に歌わせるの、えぐいという胸が締め付けられます。

件のラストシーン。
いつもよりタメが長く、切なさを持ちながらも新しい人生に対する前向きな足取り。
「別れ」や「捨てること」は終わりではないんだろうなと思いました。
過去を思い出す必要はないと言っていた密が、過去を思い出したうえで、忘れるのではなく受け入れて前へ進むことにしたの本当に良いです。オーガストを含めて御影密なんだね。
また、この公演ストーリーって今までの公演ストーリーとは、重点に置いている所や構成が違っていて印象に残ります。公演が始まっていくなかで考えや芝居が変わるって構成的には、青年アリスが似ている気がするんだけど、一番最初のイベント公演ストーリーと24人目の公演ストーリーの構成が似ているのもなんかグッと来るものがある。
 
EPで密はクッキーの願い事を東さんに教えた少年と会話をします。
少年はオーガストを知っていたのです。そして密は少年からオーガストの願い事を知ることが出来ました。
「家庭円満」。それがオーガストの願いでした。今の密にも叶えることが出来る願い事だよね。

最後に願い事を書いた風船を空に飛ばします。この絵面も美しすぎる。
「いつかまたオーガストと会えますように」
脚本依頼の際に「叶うことが無いから願い事をしなかった」密が、ここで素直に願い事をするの泣けます。叶う叶わないじゃなくて、自分の本音を肯定することが出来たんだろうなあ。本当に良かったね。
 
そして怪しい人間と電話する千景さんですが……。
A3のすっごく丁寧だなあって感じるポイントに千景と密の関係があるんですけど。
千景と密の関係って本当に濃くって。でもMANKAIカンパニーでの物語を描くならこの二人の間だけで完結しちゃダメなんですよね。この二人を同じ組にいれず他の劇団員との絆を深め、それぞれが自分自身と向き合い織り合いをつけた後に、ミックス公演をするってめっちゃくちゃ丁寧ですよね。こんだけ良い関係性を持った二人の公演なんてはやくやりたくて仕方なくない!?みたいな。少なくとも千景は、多分ですけど他の劇団員との絆を深める前に密と和解というか一緒になっちゃうと、密以外と関係性を築けないと思うんですよね。ぶっちゃけソシャゲっていつ終わるかわからないし、どこまで描ききれるかわからないのに物語に対する真摯さ?凄いなあって思います。

A3、ストーリー読めば読むほど好きってなる。
プリティーリズムと並ぶレベルで好き。(私の中で最上級の賞賛)何故好きなのかの語りブログもそのうち書きたいです。

まとめ
好きと良いしか言ってない。